実家のフレッツでひかり電話契約してみる

ひかり電話

実家のろくに使いもしない電話が基本料金でひと月千円以上もとられている(J:COM電話)。NTTの契約料と工事費(3,300円程度、HGWは使わない、手持ちのNVRを利用する)、が一年およびJCOMの費用(解約費用を忘れてた、12,000円程度)がかかり元をとるまで一年半ほどかかるが、ひかり電話の基本プランに変更してみる。あ、そうそうついでに/56のIPv6グローバルアドレスもゲットできる。

ネットワーク構成など

変更前ネットワーク構成は、フレッツ光(ひかり電話なし)+IIJ FiberAccess/NF、J:COMの電話。

変更後はフレッツ光(ひかり電話あり)+IIJ FiberAccess/NF。

電話番号

いろいろと手続きが面倒なので、いままで使用していた電話番号は捨てる。
また、常に留守電にしておき、折り返し電話をする運用を徹底する。

しかしいまの時代、電話番号通知が有料ってどうなん?
非通知を有料にしたら?
と、ここまで書いてきづいた。そんなことしたら、Nの大切なお客様が逃げてしまうか。

J:COM電話の解約手続き

マイページを登録すると、そこから解約手続きが行える。以前J:COM携帯電話を解約するときはこのページを知らずに、いろいろ苦労した覚えがあるが便利になったものだ。

現在、J:COMからの電話待ち。さて、素直に解約させてくれるか。

J:COMから電話がかかってきた。解約の理由とか聞かれたが特に引き留める様子もなく解約手続きがすすんだ。余談だがJCOMが引き込んだケーブルを撤去するのに9,800円、そのまま残す場合でも4,800円の費用がかかる。さらに余談だが電気もJCOMで契約しているが、電気だけなら九電が安いよってことで、電気のほうも解約することになった。

ひかり電話申込

club NTT-Westにログインして手続きが進められる。特に問題なく手続きは終わった。

club NTT-Westでの手続きの一番の壁は、このページにログインできるかどうかだ。

翌日、確認の電話がかかってきた。やはりというか毎度というかHGWを送りつけようとしてくる。こちらはそんな高機能な機械は使いこなせないので丁重にお断りして工事だけ依頼した。(YAMAHAのルータ持ってるからHGWいらないよってオペレータに伝えたら、最初はYAMAHAのルータ知らない様子だったけど、内部に確認したみたいで、それ以降手続きは順調にすすんだ。このパターン、マニュアル化はされているような感じ)。

工事日、電話番号、費用(基本料金は日割り)等々の確認を行いひかり電話の申込手続き完了。毎度つかれる。工事日は一週間後。時間は午前6から午前9時の間とのこと。

IIJ への問合せ

IIJへ以下のような質問をチャットサポートという機能で行った。メールやWebでの受付は行っていないようだった。

「現在、FiberAccess/NFをフレッツ光・ひかり電話なしで利用している。フレッツのひかり電話を契約する場合、IIJでの手続き/設定変更は必要か。」

その回答、

「ご契約中のフレッツ光をmioひかりに変更するには、事前にNTT東日本またはNTT西日本にて「転用承諾番号」の発行手続きを行ってください。
転用承諾番号発行後、mioひかりお申し込み画面から、フレッツ光から乗り換え(転用)を選んでお申し込みください。」

本日は2024年3月21日であるが、いまのところIIJのチャットAIは育成中のようだ。この程度の品質でリリースする度胸があるIIJって…。本業がしっかししている(本当か?)からなせる業なのか?

今回は、IIJにはダマでひかり電話契約してみることにする。どうなるか様子を見てみよう。
予想としてはIPv6系「以外」は問題なくつながるはず。IIJ(?)が払い出すIPv6アドレスが変更になるはずなのでどうなるか見もの。いや、IPv6アドレスでVPNはってるから困るんだけどね。

→そういえば以前自宅(ISPはSo-net)でもひかり電話なしからありに変更したときにISPに問い合せをおこなったことがあったのだった。そのときは、手続き等いらないとの回答があった。このサイトのどこかに書いていた。

開通日までに行っておく作業

その前にひかり電話でなにがかわるか

ひかり電話を契約するとこちらに割り当てられるIPv6のアドレスおよびその配布方式が変更になる。IX2215におけるIPv6関連の設定はすべて見直し・再設定が必要となる。その他の機器については特に意識する必要はない。

IX2215の事前設定

IX2215で開通日までに、ひかり電話用のブリッジ設定を行うためGigaEthernet2の分割を行っておく。

GigaEthernet2の分割

GigaEthernet2(以下GE2)の分割についてはこちらを参照のこと。今回はGE2:1、GE2:2、GE2:3の三つに分割する。

分割したポートの用途は、GE2:1は家庭内LAN用、GE2:2はひかり電話用、GE2:3は予備とする。

GE2:1.0、GE2:2.0、GE2:3.0用のプロファイルの作成

GE2:1.0用については、GigaEthernet2用のプロファイルの内容をそのままコピーして名前だけ変更する。調べたところプロファイルのリネームはできないので、新規にプロファイルを作成する。ただしこの作業はやってもやらなくてもよい。単なる気分の問題。

  • dhcpv4_sv_ge2.0
  • dhcpv6_sv_ge2.0

上記のプロファイルの内容を以下のプロファイル名で作成する。

  • dhcpv4_sv_ge2_1.0
  • dhcpv6_sv_ge2_1.0

GE2:2.0、GE2:3.0用プロファイルは以下のように定義する。

ipv6 dhcp server-profile dhcpv6_sv_ge2_2.0
  dns-server dhcp
!
ipv6 dhcp server-profile dhcpv6_sv_ge2_3.0
  dns-server dhcp
!

interface GE2:1.0の定義

基本的にinterface GE2の定義をそのままコピーする。この定義自体は必須であるが、ここで利用するプロファイルを変更するのは任意。ここでは、dhcpv4_sv_ge2.0とdhcpv6_sv_ge2.0をそれぞれdhcpv4_sv_ge2_1.0 とdhcpv6_sv_ge2_1.0に変更する。

interface GE2:2.0およびinterface GE2:3.0の定義

以下定義例。

interface GigaEthernet2:2.0
  no ip address
  ipv6 enable
  ipv6 dhcp server dhcpv6_sv_ge2_2.0
  ipv6 nd ra enable
  ipv6 nd ra other-config-flag
  no shutdown
!
interface GigaEthernet2:3.0
  no ip address
  ipv6 enable
  ipv6 dhcp server dhcpv6_sv_ge2_3.0
  ipv6 nd ra enable
  ipv6 nd ra other-config-flag
  no shutdown
!

ブリッジ設定

ブリッジ設定はひかり電話用に必要。以下の設定を行っておく。

bridge irb enable
no bridge 1 bridge ipv6

つづいて「interface GE0.0」 および「interface GE2:2.0」に以下の定義を追加する。

  bridge-group 1

GE2を利用している項目の変更

interface GigaEthernet0.0

ipv6 nd proxyに「GigaEthernet2.0」を指定しているので、「GigaEthernet2:1.0」に変更する。

ddns profile

notify-interface とsource-interface に「GigaEthernet2.0」を指定しているので、「GigaEthernet2:1.0」に変更する。

interface Tunnel0.0

tunnel source とip unnumbered に「GigaEthernet2.0」を指定しているので、「GigaEthernet2:1.0」に変更する。

interface Tunnel124.0~interface Tunnel126.0

ip unnumberedに「GigaEthernet2.0」を指定しているので、「GigaEthernet2:1.0」に変更する。

NVR500(VoIPアダプタ)

VoIPアダプタとして自宅でほこりをかぶっていたNVR500を利用する。

NVR500の定義

ひかり電話関連の設定を行っておく。IPv6の設定はしない。また、管理用にlan1にIPv4アドレスを設定する。必要であれば経路情報を設定する。

以下は定義例。

login password *
administrator password *
login user root *
user attribute administrator=off connection=serial,remote,http login-timer=300 host=192.168.0.0
user attribute root connection=serial,telnet,remote,ssh,sftp,http login-timer=1800
console character ascii
console columns 200
console lines infinity
console prompt nvr500
ip lan1 address 192.0.2.252/24
ip lan2 address dhcp
ngn type lan2 ntt
telnetd host none
dns server dhcp lan2
dns private address spoof on
dns private name setup.netvolante.jp
httpd host none
analog sip arrive permit 1 myname
analog sip call myname 1 sip:0987654321
analog sip arrive permit 2 off
analog sip call permit 2 off
analog supplementary-service pseudo call-waiting
analog extension emergency-call-dial type normal-number
analog extension dial prefix line
analog extension dial prefix sip prefix="9#"
analog extension dial prefix port=1 ngn lan2
analog extension dial prefix port=2 ngn lan2
alarm entire off
sip use on
sip codec permit lan2 g711u
sshd service on
sshd host lan1 lan2 192.0.2.0
sshd host key generate *

NVR500への接続設定

fedoraのsshでは以下のメッセージが出て接続できなかった。

Unable to negotiate with 192.0.2.252 port 22: no matching key exchange method found. Their offer: diffie-hellman-group-exchange-sha1,diffie-hellman-group14-sha1,diffie-hellman-group1-sha1

.ssh/configに以下の行を追加して接続できるようになった。

Host    192.0.2.252
        KexAlgorithms=+diffie-hellman-group1-sha1
        RSAMinSize=1024

NVR500のテスト

自宅(実家ではない)で事前に設定確認をおこなった。実家で利用するときはlan1のアドレスと電話番号を変更する。経路情報を設定しているのであれば経路情報も変更しておく。

NVR500の設置

定義ができたら、実家IX2215のGE2のポート7(GE2:2)とNVR500のLAN1を接続しておく。また、IX2215のGE2の1~6の空きのどれかとNVR500のLAN2を接続する。

電話ケーブル敷設

電話機とNVR500の場所が離れているので、電話線をあらかじめひいておく。

開通日に行う変更・作業の事前確認

開通日以降しかできない変更の確認を行う。

実家側IX2215の定義変更箇所の確認

IPv6関連が変更点となる。

ipv6 dhcp client-profile

変更前

ipv6 dhcp client-profile dhcpv6_cl_ge0.0
  information-request
  option-request dns-servers
!

変更後

ipv6 dhcp client-profile dhcpv6_cl_ge0.0
  option-request dns-servers
  option-request ntp-servers
  ia-pd subscriber GigaEthernet0.0 ::1/64
  ia-pd subscriber GigaEthernet2:1.0 ::10:0:0:0:1/64
  ia-pd subscriber GigaEthernet2:2.0 ::20:0:0:0:1/64
  ia-pd subscriber GigaEthernet2:3.0 ::30:0:0:0:1/64
  shutdown-delay 100
!

interface GigaEthernet0.0

以下の行を追加

  ipv6 address autoconfig receive-default

以下の行を削除

  ipv6 nd proxy GigaEthernet2:1.0

interface GigaEthernet2:1.0

以下の行を削除

  ipv6 interface-identifier 00:00:00:00:00:00:00:01

GE2:1.0を利用している項目の変更

ddns profile

notify-interface とsource-interface に「GigaEthernet2:1.0」を指定しているので、「GigaEthernet0.0」に変更する。

interface Tunnel0.0

tunnel source とip unnumbered に「GigaEthernet2:1.0」を指定しているので、「GigaEthernet0.0」に変更する。

interface Tunnel124.0~interface Tunnel126.0

ip unnumberedに「GigaEthernet2:1.0」を指定しているので、「GigaEthernet0.0」に変更する。

自宅側IX2215の定義変更箇所の確認

確認の結果特に変更箇所なし。DDNS情報がうまく更新されれば大丈夫なはず。

開通日の作業

工事日当日は以下の作業を行う。

NTT側工事の確認

事前の確認では工事は午前6から午前9時の間とのことであった。なおNTT側から連絡はないので、工事終了もしくは工事中を次のようなかたちで確認した。自宅から実家にVPNをとおしてpingを飛ばして返事がなくなれば、NTT側作業が終わったか作業中と判断。pingは午前8時30分ころ途絶えた。

ケーブル接続

NVR500と電話機の接続

NVR500のTELポートと電話機を接続する。

NVR500とIX2155の接続

NVR500とIX2155のGE2の7番ポートを接続する。

IX2215の定義変更

作業用PCをIX2215のコンソールポートに接続し、teratermで作業を行う。teratermのログ設定を忘れずに。

あとは、「実家側IX2215の定義変更箇所」をまちがえないように変更する。

動作確認項目

定義の変更が終わったら以下の項目について確認を行う。

IPv6アドレス確認

show ipv6 addressコマンドで各インタフェースのIPv6アドレスを確認する。

IPv4でのインターネット接続

PPPoEおよびDS-Lite双方の端末でインターネットアクセスを行う。

VPN接続確認

拠点間でVPNをとおした通信を行い通信できることを確認する。

電話発信・着信

NVR500と携帯電話間で発信・着信を行い、通話できることを確認する。

NVR500でshow status dhcpcコマンドと、show status ngnコマンドを実行し内容を確認する。

結果

上記の確認項目の結果。

IPv6アドレス確認

show ipv6 addressコマンドで見たところ、プレフィックス長のみ変更(/64→/56)となっていた。

ipv6 dhcp client-profile dhcpv6_cl_ge0.0の定義からinterface GE0.0にGE2:1.0に以前付与されていたアドレスが割り当てられ、interface GE2:1.0のIPv6アドレスが変更となった。これに伴いサーバのアドレスも変更となった。(IPv6アドレス変更の影響はない)

IPv4でのインターネット接続

PPPoEおよびDS-Lite双方の端末で問題なくインターネットアクセスができた。

VPN接続確認

拠点間でVPN通信を行い(お互いのサーバにsshでログイン)無事通信できることを確認。

電話発信・着信

双方向とも発信・受信できた。

NVR500のコマンド実行結果は以下の通り。

nvr500# show status ngn
NGN status

  LAN2
    sip:0987654321@ntt-west.ne.jp
    Ready

nvr500# show status dhcpc
Interface: LAN2 primary
            IP address: (これ以降略)

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