古物商の許可申請を行いました.今回自力で許可申請を行いましたのでその方法を実際に提出した資料(情報は公開用に修正します)で説明します.なお,この文の内容は,2022年5月現在の情報を元に作成しています.
古物商許可申請は独力で行うことが可能か
結論から言いますと「可能」です.インターネット上に情報が多くありますので,ちゃんと調べれば必ず正解にたどりつきます.ただし正解にたどり着くまでには根気と時間が必要です.
ただ注意していただきたいのは,必ずできるのというのはあくまでも許可申請であって,必ず許可がおりるわけではないということです.
行政書士等に依頼する場合との比較
私自身が行政書士等に依頼していないので本来の比較はできませんが,以下の点は間違いなくいえるでしょう.
メリット
メリットは,なんといっても行政書士等に支払う報酬がいりません.
- 支払う金額が最小限で抑えられる
逆に言うとこれくらいしかメリットはありません.
デメリット
自力で申請する際のデメリットは以下のような点が考えられます.
- 許可申請書の収集・記入やその他の書類をあつめる手間・時間がとられる
- 事業内容に適した古物商の選定ができないかもしれない
- 古物商許可申請の受付が平日の16時までで時間が取れない
- 警察署で書類に不備・不足があったら出直し
とにかく時間がかかる印象があります.ただしその大半は調べものに費やした時間です.私は依頼した時の報酬がどのくらいかは知りません.上記のデメリットと比較して金額が見合うものであれば依頼するのもいいでしょう.書士の方に頼めば書類の不備などなくスムースに申請処理を行ってくれることでしょう.私の場合は…暇だったので時間がかかっても金額が安いほうを選びました.
許可申請の条件
以下の条件で申請します.
- 法人での申請
- 古物商取扱品目 事務機器類
- インターネット利用
- 申請先は熊本県公安委員会
現時点で古物商取扱品目として上記のもので申請していますが,追加で機械工具類と道具類を追加申請しようと思います.
費用と申請までに必要な時間
費用
古物商許可申請には以下の費用が必ずかかります.
- 許可申請費用 2022年5月現在19,000円です.収入証紙で納めます.大き目の警察署なら署内に収入証紙の売り捌き所がありますので,現金を持っていけばOKです.
- 登記事項証明書 オンライン請求かつ窓口交付にすると480円です.通常(窓口請求・窓口交付)の価格は600円です.支払いはPay-easyでも可能です.個人申請の場合は当然ながらこの登記事項証明書は不要です.
- 住民票の写し 法人役員および管理者ごとに必要です.本籍は記載あり,個人番号は記載なしで取得します.役所で取得すると400円,コンビニで取得すると200円です.
- 身分証明書 法人役員および管理者ごとに必要です.コンビニで発行できません.役所で取得すると400円です.
なお,住民票の写しや身分証明書の金額は自治体によって変わるみたいです.地元の自治体のWebページなどでご確認ください.また,自治体によっては電子申請・郵送のサービスがあるようですので役所に出向く必要もないかもしれません.
自力で行わない場合は,上記の費用に加えて行政書士さん等に支払う報酬が発生します.
申請までにかかる時間
書類の記入・印刷に約1日,役所と警察署を同じ日に回るとすると1日.私の場合,事前準備(資料収集や記載内容の調査等)に数日かかりました.なお,申請から許可・不許可通知がくるまで約40日程度かかるようです.
古物商許可申請に必要な資料
ここから実際に提出した資料をもとに説明していきます.
許可申請書
古物商の許可申請書は各都道府県の警察のWebページからダウンロードできます.法人用の書類はWORDファイル(5種類)で提供されています.
別記様式第1号その1(ア)
以下の赤の部分を記載します.WORDファイルなので若干入力しにくいですが頑張って入力してください.入力する上でのポイントは
- 古物商に〇をつける
- 申請先(下の例では熊本県公安委員会)を記載すること
- 登記事項証明書や住民票の記載のとおりに記入する(申請窓口で指摘されました.訂正印は不要です)
- フリガナの濁点・半濁点は一文字とする
- 法人の生年月日は記入不要
- 代表者の生年月日は和暦で記載すること(申請窓口で指摘されました.熊本県のローカルルールかもしれません)
- 行商であるかどうかの別はするに〇をつける
別記様式第1号その1(イ)
この様式は法人の役員(監査役含む)記載用継続用紙です.1枚で3名記載できるので,必要な枚数を使用してください.なお,役員が代表者1名の場合は添付不要です.
別記様式第1号その2
この様式には主に古物商管理者の情報を記載します.
別記様式第1号その3
その他の営業所に関する記載事項です.複数の営業所がある場合は,その数に応じて使用してください。その他の営業所がない場合は添付不要です.
別記様式第1号その4
Webページ等利用取引の有無に関する記載事項です.自身のWebページやネットストア等を利用して,取引相手と非対面方式で古物の取引を行う場合には当該様式にURLの記載が必要となります.Webページを利用しない場合でもこの資料は必要です.(用いないに〇をつけて提出)
登記事項証明書
法人で申請する場合必要です.法務局で取得します.取得後三カ月以内のものが必要でコピー不可です.
定款
今回設立した法人の定款は電子定款ですので印刷したうえで,最後のページの一番下に「上記は原本と相違ないことを証明します」と記載し法人名・役職名・名前を記載します.実はこの記入を忘れていて現地で記入しました.法人印・個人の印鑑ともに不要だったと思います.
住民票の写し
身分証明書取得のために役所に行きますが,コンビニで発行するほうがやすいのでコンビニで取得しました.取得後三カ月以内のものが必要でコピー不可です.
身分証明書
役所で発行してもらいます.取得後三カ月以内のものが必要でコピー不可です.
略歴書
略歴書は用意されているところと用意されていないところがあります.熊本県では用意されていませんでしたので他県のものを利用しました.過去5年分の職歴等を記入します.
誓約書
古物商の許可申請書は各都道府県の警察のWebページからダウンロードできます.都道府県によって内容が違いますので地元の警察のものをダウンロードするようにしてください.
法人で申請する場合は,法人用と管理者用を作成します.印刷したら押印しておきます.
URLの使用権原を疎明する資料
実は今回ここが一番苦労したところです.法人用ドメインをXserverで個人名義で取得していたため,この名義変更に手間取ってしまいました.名義変更が終わったらXserverの管理画面でwhois情報の変更を行います(Xserver名義になっているため.別途ブログの記事として紹介します).以下の画面は登録情報確認欄です.情報の部分をほとんど削除していますがこの情報とwhois情報を印刷して提出します.
使用許諾書(事務所)
今回設立した法人は古物商を営む事務所として親所有の家を申請しました.そのための使用許諾書です.熊本県では必要との記載はありませんでしたが,他の都道府県では必要書類としているところが多いのでとりあえず用意しておきます.
申請書提出
さきほども述べたように提出資料に若干の不備がありましたがその場で修正を行いました.不備な点の修正が終わると,収入証紙を買ってくるように指示されますので19,000円分の収入証紙を購入して申請窓口にもどります.すると証紙を申請書に貼るように指示されますので自分で証紙を申請書に貼ります.これで古物商許可申請は完了です.後は約40日後の審査結果を待ちます.
まとめ
十分に情報を収集することと十分な時間があれば必ず自力で古物商許可申請は可能です.冒頭でも申しましたが必ずできるのはあくまでも許可申請であって,必ず許可がおりるわけではありませんのでその点は予めご承知おき願います.古物商許可申請をしようとしている方でお時間が取れるかたは自力で申請してみてはいかがでしょうか.お金があるとか経費で落とせるとかいう人は迷わず書士の方に依頼してください.かなり楽ですよ(あくまで私個人の感想です).
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